株日記

市況と適時開示

FRB 利上げ

連邦準備制度理事会FRB)の数人の高官がインフレが高過ぎるとし、追加利上げの必要性を繰り返したため、長期金利の上昇を警戒した売りが再燃し下落に転じた。

FRBは16日に公表した半期に一度の金融政策報告の中で、連邦公開市場委員会FOMC)はインフレ率を目標の2%に戻すために適切な追加の金融引き締めに関して会合ごとに判断していくと説明した。

 

 FRBは今週のFOMCでこれまで10回連続で実施して来た利上げを停止した。株式市場が望んでいたことを実現した格好だが、FRBは年内にあと2回の追加利上げを行うことを示唆している。市場からはタカ派なサプライズではあったものの、利上げサイクルの終了近しという楽観的なムードに変化は与えなかった。むしろ、ソフトランディングへの期待が高まっている。投資家たちはこの動きが持続可能なのかと、様々な理由を探しているといった声も出ていた。

 

FRBが利上げをするのはなぜ?

FRBアメリ連邦準備制度理事会)が利上げを行う理由は、経済の状況や目標を達成するために金融政策を調整する必要があるからです。以下にいくつかの一般的な理由を挙げますが、具体的な状況によって異なる場合があります。

  1. インフレーションの抑制: インフレーション(物価の上昇)が高まり、物価安定の目標を超える場合、FRBは利上げを行います。利上げは貸出金利を引き上げることで、借り入れを抑制し、消費や投資を抑える効果があります。

  2. 労働市場の強化: FRBは、労働市場の改善や失業率の低下を目指しています。景気が好転し、失業率が低下し始めると、FRBは利上げを検討することがあります。これによって、過熱した景気を抑え、将来的なインフレーションリスクを緩和することができます。

  3. 経済成長の調整: FRBは、経済の持続可能な成長を促進するために金融政策を調整します。景気が拡大し、経済成長が急速に進むと、FRBは利上げを検討することがあります。これによって、過剰な借り入れや投機的な行動を抑制し、経済の安定を図ることができます。

これらの要因や他の要素に基づいて、FRBは金融政策を決定し、利上げや利下げを行います。ただし、FRBの金融政策は複雑で、多くの要素が考慮されます。具体的な利上げの決定は、FRBの政策決定会合で行われ、各メンバーの意見や経済データの分析に基づいて判断されます。

⇒利上げをしないと米国株価は上がる

⇒日本との金利差が開く ⇒ 円安 ⇒ 日本株

 

金利と利上げは違う?

金利と利上げは関連していますが、異なる概念です。

金利は、貸出や預金などの金融取引において発生する利息の割合を指します。銀行や金融機関は、お金を借りる人に対して金利を課すことで、貸出活動から利益を得ます。預金をする人に対しても金利を支払うことで、預金を促進します。金利は、市場の需給や金融政策の影響を受けて変動する場合があります。

一方、利上げは、中央銀行が金融政策の一環として貸出金利を引き上げることを指します。通常、中央銀行は経済の状況や目標に基づいて金融政策を調整します。利上げは、中央銀行がインフレーションの抑制や経済成長の調整を目指して行う行動の一つです。

利上げは、中央銀行が設定する政策金利(通常は短期金利)を引き上げることで実現されます。政策金利の引き上げは、銀行間の貸借取引における金利水準に影響を与え、一般的には市場金利全体の上昇につながります。これにより、貸出活動や投資が抑制される可能性があります。

金利は市場の需要と供給に基づいて変動する一方、利上げは中央銀行が金融政策を通じて行う具体的な行動です。利上げが行われると、一般的に金利が上昇する傾向にありますが、金利が上昇するために必ずしも利上げが行われるわけではありません。金利の動きは、様々な要素によって影響を受けます。

 

FRBとは

FRB(Federal Reserve Board)は、アメリカ合衆国中央銀行であり、連邦準備制度の最高意思決定機関です。FRBは、アメリカ合衆国の金融政策を策定し、通貨の安定や金融システムの円滑な運営を促進する責任を持っています。

FRBは、1913年に連邦準備法に基づいて設立されました。その主な目的は、金融安定の維持、物価安定の促進、そして最大雇用の実現です。FRBは、12の地域連邦準備銀行と連携しながら、金融政策の決定や金融システムの監視、銀行監督などの役割を果たしています。

FRBの主な権限と責任には以下のものが含まれます:

  1. 金融政策の決定: FRBは、金融政策の目標を達成するために利上げや利下げなどの金融政策手段を選択し、実施します。これにより、インフレーションの抑制や経済成長の促進を図ります。

  2. 金融システムの監視: FRBは、銀行や金融機関の健全性と安定性を監視します。これには、銀行の規制・監督、金融システムの安定性の評価、危機への対応などが含まれます。

  3. 決済システムの運営: FRBは、連邦準備銀行を通じて、預金保護、現金の流通、決済システムの円滑な運営などを担当します。

  4. 経済データの収集と分析: FRBは、経済の状況や動向に関するデータの収集と分析を行います。これにより、経済の評価や金融政策の決定に役立てます。

FRBは、アメリカ合衆国の金融システムと経済の安定に重要な役割を果たしており、その意思決定はアメリカの経済に大きな影響を与えることがあります。